【構築経緯】
wcsレートの様子から見て、禁止伝説枠のトップメタはカイオーガ、次点でゼルネアスになることを予想。そこで、カイオーガより確実に速く動け、カイオーガをワンパンでき、かつゼルネアスに対しても打点の持てるスカーフカミツルギの採用を決定した。禁止伝説枠に関して、スカーフ以外のカイオーガはそこまで制圧力がないと感じていたので、スカーフをカミツルギにとられているためカイオーガの採用は見送った。また、対策されている可能性は非常にたかいが、それを貫いてゼルネアスは申し分ないパワーを持つと考えているので採用。もう一つの禁止伝説枠にはその対ゼルネアス要員としてソルガレオの採用を決定した。その他相性の良いポケモンを採用したつもりであるため、以下採用順に個別解説する。
【個別解説】
カミツルギ@拘りスカーフ
性格:陽気
特性:ビーストブースト
技:リーフブレード スマートホーン 聖なる剣 叩き落とす
実数値:153-233-151-x-51-157
努力値:148-252-0-0-0-108
S:最速カイオーガ抜き
個人的にこのルールで一番信頼を寄せているポケモン。まず、メジャーな禁止伝説枠に対して軒並み相性がいい。明確に不利をとるのがホウオウとイベルタルくらいである。カイオーガの全体攻撃を被弾するしてカミツルギの隣に被害が及ぶことを嫌い、確実にカイオーガの上をとる為、拘りスカーフを持たせた。そのため、威嚇が入らなければカイオーガを仕留められるために、リーフブレードは確定。カイオーガの裏から投げられてリーフブレードを受けるポケモンの代表にガオガエンが存在する。そのため主にガオガエンに対する打点として聖なる剣を採用。また、耐久無振りのゼルネアスを低乱数で落とせる、また、相手のゼルネアスを削っておけば自分のゼルネアスとの撃ち合いで有利を取れるためスマートホーンを選択。最後の一枠は、ソルガレオやネクロズマ、ルナアーラに対しての打点であり、サンルールでは撃ち得である叩き落とすとした。
ゼルネアス@パワフルハーブ
性格:臆病
特性:フェアリーオーラ
技:ムーンフォース マジカルシャイン ジオコントロール 守る
実数値:207-x-129-163-120-166
努力値:44-0-108-92-12-252
対策されていてもなお強いポケモンであると考えての採用。ジオコントロールを積むタイミングさえ間違えなければ、そのままゲームエンドまで持っていける、言わずもがなの強さであった。対ゼルネアスや対イベルタルでできるだけ先に動きたいため最速調整。火力を確保するよりも場持ちをよくして相手を縛るターンをより増やすことの方が重要であると考えていたため、耐久寄りの配分にしている。詳しい調整はTwitterの誰かの呟きを参考にしたのだが、タイムラインが流されて行き見つからなかったため割愛。許してくだせぇ。
ソルガレオ@ラムの実
性格:意地っ張り
特性:メタルプロテクト
実数値:213-207-127-x-119-109-149
努力値:4-252-0-0-0-252
対ゼルネアス要員を期待しての採用。耐久に薄いゼルネアスならばメテオドライブで確一が取れる上に、ゼルネアスのフェアリー技は半減で受けることができるため対ゼルネアス性能は申し分なかった。またカイオーガの拘りアイテム持ちの多い潮吹きをワイドガードでロックすることもでき、攻守に躍動した。残りの技は汎用性の高い叩き落とすと守る。思念の頭突きは撃ちたい相手がモロバレル程度であり、命中不安もあるため不採用。馬鹿力はパワーの下がったソルガレオが場に残るのが弱いと思っているので切った。アイテムはラムの実。特性のメタルプロテクトで能力値が下がることがないため、怖いのが状態異常のみであったことから採用した。
ニャヒート@進化の輝石
性格:臆病
特性:威嚇
技:オーバーヒート 蜻蛉返り 猫騙し 挑発
実数値:141-x-71-130-72-156
努力値:4-0-4-236-12-252
やはり猫は直立二足歩行より四足歩行に限る。このルールにおいては最強レベルの威嚇枠兼猫騙し枠だと思っている。まず、ガオガエンよりも速いというのが一つ目のストロングポイントである。これにより、初手でガオガエンと対峙した時に、猫騙しをこちらが自由に打てる。二つ目のストロングポイントは、特殊アタッカーであることである。ガオガエンが多いこのサンルール環境において物理アタッカーはどんどんパワーが下がっていってしまう。しかしニャヒートのメインウェポンを特殊攻撃で採用しているためその心配はない(そもそも元々の火力が大したことがないとかは知らない)。また、三つめのストロングポイントとして、ガオガエンと違い、耐久振りで最速ではないゼルネアスの上を取れる可能性がある。ガオガエンでは叩き落とすを入れることができない場合、ゼルネアスのジオコントロール対策はバークアウトか吠える程度であるがニャヒートなら上から挑発を打つことで止められる。耐久無振りのゼルネアスであればソルガレオでワンパン出来るためジオコントロール後に後攻蜻蛉返りでソルガレオを出すなどして対策が効く。さらに、この点が一番のストロングポイントであったかもしれないのはニャヒートを舐め腐っている人が多かったという点である。このニャヒートはジオコントロールを積んだ後のゼルネアスのマジカルシャイン程度なら耐える。流石にムーンフォースなら八割程の乱数で倒れるが、ニャヒートごときにムーンフォースを打ってくるプレイヤーはいなかった。メインウェポンにはオーバーヒートを採用。これはなんと悲しいことに火炎放射ではD特化ナットレイに確定耐えされる為である。しかし、サポート型のポケモンであるためオーバーヒートを連打する場面は少なく、オーバーヒートで正解であったと思う。他に、場を整える為の蜻蛉返りと猫騙し、最後の枠は先述したゼルネアスのジオコントロール対策、またガオガエンの吠える、モロバレル対策として挑発とした。
ズルズキン@突撃チョッキ
性格:慎重
特性:威嚇
実数値:172-111-135-x-183-78
努力値:252-4-0-0-252-0
元々はガオガエンを使用していた枠。ガオガエンではグラードンと対峙した時に、パーティとして地面技の一貫性が高すぎて非常に苦しかった。そのためガオガエンと同等の仕事ができるズルズキンを採用した。ガオガエンに比べパワーポイントは劣るが、怒りの前歯の固定ダメージや相手の攻撃に依存するイカサマの存在からそこまでパワー不足は感じなかった。ただ選出回数は極端に低かったため改善の余地が残る。
サザンドラ@気合の襷
性格:控えめ
特性:浮遊
技:悪の波動 大地の力 追い風 守る
実数値:167-x-110-194-111-150
努力値:0-0-0-252-4-252
ここまでで、ズルズキンを投入したものの、パーティがグラードンに対して太刀打ちできないレベルであるのは変わらず、浮いているポケモンが一匹欲しかった。そこで浮遊によりグラードンのメインウェポンである地面技を無効にでき、サブウェポンの炎技も半減で受けることもできる、さらにここまででいなかった素早さ操作要員としての役割も兼ねられるサザンドラを採用した。ゼルネアスやカプ・テテフなどフェアリー技持ちが環境に多く、確実に追い風を起動するため気合の襷を持たせた。技はその追い風と追い風ターン管理のための守る。攻撃技はタイプ一致で日食ネクロズマやソルガレオを対する打点となる悪の波動とガオガエン処理のための大地の力とした。
【選出】
主に以下の選出をしたが、取り巻きにより変えることもあった。
対オーガルンパ
初手はカミツルギ→カイオーガにリーフブレード、ソルガレオ→ワイドガードと決め打ちしていた。ルンパッパの猫騙しがソルガレオ方向に来ればカミツルギがカイオーガに確一を取るし、カミツルギ方向に来たら、猫騙しの来ない初手対面をもう一度作ることができる。ただこれはカイオーガが潮吹きを撃ってくることが前提であり、レートが上がるとワイドガード読みの熱湯や冷凍ビームが飛んでくるので安定性に欠けた。
対トルネオーガ
先発ゼルネアス+ニャヒート
このタイプの構築を相手にするときは、無理にゼルネアスでジオコントロールを積もうとはせず、ムーンフォースの試行回数を稼ぎ、ダメージを蓄積させていく動きを取ることが多かった。そもそもトルネロスの挑発、叩き落とすを考えるとジオコントロールを積むこと自体が難しく、たとえジオコントロールを積めても、追い風の存在から旨味が少ないためである。ニャヒートの挑発をトルネロスに当たることができるかがポイントであったように思う。
対ゼルネガエン
先発ゼルネアス+ニャヒート
ニャヒートの方がガオガエンよりも速く動けるためなかなか無茶苦茶できる対面であり、ほぼ確実に自分のゼルネアスがジオコントロールを積めるため、後ろから出てくるレッドカード持ちのモロバレルなどに気をつければ楽なパーティであったように感じた。
【雑感】
そこそこ環境などは考察したつもりであるが、パーティ編成、プレイイングともに実力が足りなかったと感じた。ムーンルール頑張って行きましょう。